時期:桜の季節  着物:付け下げ袷(あわせ)

桜の季節に、浅草の「木馬館」で行われる芝居に、
「芝居の後、役者達と墨田川で花見をする」と言う日があったので
これはもう「着物で参加するしかないわ!」と、友達3人で盛り上がり
「昼から着付け大会を始め4時には浅草に行って、そぞろ歩いた後、芝居を見る。
そして花見で役者にもてる(笑)」
と計画し、新宿に住んでいる子の家に集合することに決めたのでした。

しかし3人のうち、着物がきちんと着付けられる人間は一人もいない。
私の「ビデオや本を見ながら、家で少し着てみた事がある」というのが一番の経験という状態。

 「でもまあ、その子の家にはお母様もいらっしゃるし。なんとかなるでしょ」
が、当日。そのお母様が着物を自分で着たことが一度もない事が判明。
「しまった、読みが甘かった」と後悔しつつも、「着物を着て目だつ」欲望に勝てず、
念のために持ってきた「着付けの本」を見ながら4人で着付け合ったのです。

着くずれることを極度に恐れた3人は、タクシーで雷門までゆきました。
タクシーから降りて、記念写真を取る場所を物色しようとしていたら、2人組のおばさまが
「あら、あなた、帯がくずれているわよ!」と、私に声を掛けてきました。

「え? あ、そうなんですか(どうしよう)」と言う間もなく。

「こっちにきなさい、直してあげるから」とひっぱられ、近くの写真屋さんに入って行ったかと思うと、
御主人に「ここ、借りるわね」と店の隅に陣取り
「え?あ?」と戸惑っているうちに帯がとかれ、締め直されていくのでした。

(ひえー、なんだこれえ?)と思いつつも「すいません」とお礼を言うと、
おばさま方は、「じゃあね」と風のように去って行ったのでした。

そのあいだ、ほかの2人は店の外で待っていたのですが。
「どこが崩れていたのか、全然わからなかった」とのこと。
「それにしても、、すごかったねえ」と呆然。

でも、ちゃんと「プロの手で締め直された安心感」の為、気にせず動けたし、
事実、そのあと10時過ぎまで遊んだのに。まったく着崩れなかったんです。

「初めて着物を着て行くなら、おばちゃんのいる浅草ね」と心に刻んだ3人なのでした。
 そうそう、劇団の人達にも、うけがよかった事を付け加えなくては。(笑)

「浅草のおばちゃん、ありがとー!」


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